1日目、きっと夜
世の中には何人が死にたいともがき、生きたいと願い、人を傷つけては自分に傷つけて生きてるんだろう。
アームカットというものを知っている人はどれくらい居るのだろう。
ほとんどがリスカという言葉で片付けてしまう。
まるで違う。
殆どの人がそれを痛いと言う。イタいとも。
本人は痛いと思っていない。
色々なサイトだったり見てみると大抵の理由は
心の方が痛いから。
こんな言い方をすると、少しポエミーに聞こえるし、『正常』な人達からすれば信じ難い事なのかもしれないが、
自分の経験から言って事実なのである。
だからこそ、自傷行為は、痛いのだ。
もうしないでね、もうしないでね。
痛い痛い痛い痛い、苦しい。助けて欲しい。
色んな声が頭の中を走って、ぐちゃぐちゃになって、全てが嫌悪感に変わった時、
自らの手で左腕を切る。
泣き喚いても誰にも届かない。
どんなに叫んだって届くことは無い。
その傷跡を通して気づいてくれと叫んでも
理解される事は無い。
一生苦しいんだ。ずっと。
1日目
今日は久しぶりへ外へ出た。
あまり良くない天気のせいか、勉強をサボった後ろめたさか。
外は少し重くて、店員や親との会話も煩わしかった。
フードを深くかぶってマスクをしていないとどうにかなってしまいそうだ。
タピオカを飲む彼女とその横でドーナツの箱を持って歩く彼氏。
そんな日常でさえ笑えるようなそんな人が居るのなら、付き合うって素晴らしいものだ。
だが何故付き合うって特別なのだろう。
セックスして相談にも乗って互いを思い合っている男女とカップルという型にハマった二人。
「付き合って下さい」「はいよろこんで」
と、たった二言で関係性がまるで変わってくるのは何故だろう。
16歳の私にはまだ理解も出来ないし理解した所できっと意味も無い事だ。
幼い頃、雲の間から漏れた光が神秘的で、
「あそこから神様が降りてきそうだね」と言った時、友達に馬鹿にされた。
そんなことを考えていると
「あぁいうの、なんか神々しいよね。きれい」
と母親が言った。
こういう大人になりたいと思った。